今回ご来店いただいたお客様は、
リサイクルショップで出会った二足の靴を手にされていました。
一足はワークブーツの王道。
もう一足は、アメリカの老舗ブランド
Bostonian
のヴィンテージドレスシューズ。
深みのあるバーガンディカラーに、端正なキャップトゥ。
履き込まれた皺には、確かな時間の蓄積が刻まれていました。
しかしソールは限界。
このままでは役目を終えてしまう状態。
それでもお客様はこう言われました。
「この靴、まだ歩きたいって言ってる気がするんです」
―― 靴の声を聞く方でした。


■今回の施工内容
・レッドウィング
→ ビブラム4014でオールソール
・Bostonianヴィンテージ
→ ダイナイトソールへ交換
→ 合い板革を挟み、適度なボリュームと安定感を付加
クラシックな佇まいはそのままに、
現代でもしっかり履ける仕様へと再構築しました。
Before

after



■「履き捨てない」という選択
お話を伺うと、
お客様は劇場の支配人、そして経営者として
長年“人を育てる”仕事をされてきた方でした。
その姿勢は、モノへの向き合い方にも表れていました。
まだ使えるものを、きちんと手を入れて活かす。
価値を見抜き、もう一度輝かせる。
それはまさに、
人を育てることと同じ本質です。
■最後に
役目を終えかけていた靴が、
再び歩き出す準備を整える。
そのきっかけをつくるのは、
「気づく人」の存在です。
今回もまた、
いい仕事をさせていただきました。
ありがとうございました。