お客様の笑顔シリーズ VOL.173 “靴の声を聞く人”

今回ご来店いただいたお客様は、
リサイクルショップで出会った二足の靴を手にされていました。

一足はワークブーツの王道。
もう一足は、アメリカの老舗ブランド
Bostonian
のヴィンテージドレスシューズ。

深みのあるバーガンディカラーに、端正なキャップトゥ。
履き込まれた皺には、確かな時間の蓄積が刻まれていました。

しかしソールは限界。
このままでは役目を終えてしまう状態。

それでもお客様はこう言われました。

「この靴、まだ歩きたいって言ってる気がするんです」

―― 靴の声を聞く方でした。


■今回の施工内容

・レッドウィング
→ ビブラム4014でオールソール

・Bostonianヴィンテージ
→ ダイナイトソールへ交換
→ 合い板革を挟み、適度なボリュームと安定感を付加

クラシックな佇まいはそのままに、
現代でもしっかり履ける仕様へと再構築しました。

Before

after


■「履き捨てない」という選択

お話を伺うと、
お客様は劇場の支配人、そして経営者として
長年“人を育てる”仕事をされてきた方でした。

その姿勢は、モノへの向き合い方にも表れていました。

まだ使えるものを、きちんと手を入れて活かす。
価値を見抜き、もう一度輝かせる。

それはまさに、
人を育てることと同じ本質です。


■最後に

役目を終えかけていた靴が、
再び歩き出す準備を整える。

そのきっかけをつくるのは、
「気づく人」の存在です。

今回もまた、
いい仕事をさせていただきました。

ありがとうございました。

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