今回ご紹介するのは、天草製作所オープン時から通ってくださっているお客様。
お客様番号は129番。
現在2682番まで登録をいただいている中で、本当に初期から支えてくださった大切な方です。
今回の修理は、JMウエストンのカカト修理。
以前、
「もう革底にこだわらず、歩きやすさ重視でいこう」と、
ソールをビブラム・ケープタウンのスポンジソールに変更されていました。
「年齢的にも柔らかい方が歩きやすい」と、
でも「ヒールのある見た目にはしたいから」とケープタウンを選ばれた、
履き心地と美しさ、両方を大事にされる方です。
そして今回のご来店は、
滋賀県草津市へのお引越し前の“最後の修理”でした。
お客様は、
「第二の人生を、少し広い家でゆっくり暮らしたくて」と、
東京のマンションを手放し、しかもかなり良い条件で売却できたそうで、
ご夫婦で草津への移住を決意されたとのこと。
「引越し前に、カカトだけでも直しておきたくて」と、
わざわざ時間を作ってご来店いただきました。
当店のオーダー靴も何足もご注文いただき、
長年、本当に温かく支えてくださったお客様。
「滋賀にいい修理屋さんがなければ、送ってもいいですか?」と仰ってくださり、
もちろんです、とお伝えしつつも…やっぱり寂しいものです。
靴と共に過ごしてきた東京での日々。
それが新しい場所でもまた続いていくこと、
その一端を担えたことを、とても誇らしく思います。
出会いがあるから、別れもある。
それでもやっぱり、
別れは寂しいものですね。
本当にありがとうございました。
草津でも、笑顔あふれる日々を。