本日ご来店いただいたお客様は、
修理が完了した Ghurka(グルカ) No.5 “The Examiner Bag” の受け取りでご来店されました。
このバッグ、実は お父様(弁護士)から譲り受けた大切な一品。
長い年月を経て、パイピングはボロボロ、革は乾燥と退色で本来の深みが完全に消えてしまっている状態でした。

■ Ghurka(グルカ)とは?
1975年、アメリカのデザイナー Marley Hodgson によって創業された高級レザーブランド。
19世紀のネパール軍「グルカ兵」の装備品にインスパイアされ、
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武骨で重厚な革
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ハンドステッチによる温かみ
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使い込むほど深まるエイジング
が魅力のブランドです。
今回の No.5 “The Examiner” は、グルカを代表する名作モデル。
前面の2つのポケットと分厚いレザーの存在感は、まさに“グルカらしさ”そのものです。
■ 今回のご依頼内容
お預かりしたバッグは、長期保管によりダメージが深刻で、
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パイピングの破れ・欠損
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全体の退色・日焼け
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革の乾燥による硬化
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色ムラの顕著化
という状態でした。
今回は、
◎ パイピング交換(全周)
グルカ特有の肉厚レザーを解体し、
新たに手縫いでパイピングを作り直す本格修理。
◎ 全体染め直し(明るい茶 → 濃茶へ)
オリジナルの風合いを尊重しながら、
深みある“クラシックブラウン”へトーンを統一。
オイル補給を重ね、レザーに再び命を吹き込みました。
総額:110,000円(税込)
と大掛かりなリペア内容でしたが、
「父のバッグだから蘇らせたい」
というお客様の想いに応えられるよう、丁寧に作業いたしました。
ビフォー画像



まずは、パイピング交換

全周のパイピングを交換しました(染め替え色を考えてパイピングの革も濃い色で)
Before画像



■ 本日、感動の受け取りへ
仕上がったバッグを手にされた瞬間、
お客様の第一声は、
「想像以上の仕上がりです…感動しました!」
その表情が本当に素敵で、
“職人を続けていて良かった”と心から感じる瞬間でした。
お客様のスタイルも非常にお洒落で、
靴はヴィンテージのエドワードグリーン、
洋服も古着でトーンをまとめられ、
バッグとの相性も抜群。
「父に写真送ります!」とおっしゃられ、
父から息子へ、そして次の世代へと受け継がれていく革の魅力を再確認しました。
■ 天草製作所の想い
グルカのような一生モノのバッグは、
直す事で価値が増していくアイテムです。
技術だけではなく、
“受け継がれる物語”に寄り添って修理することを大切にしています。
お客様の笑顔が、何よりのご褒美です。
この度は大切な修理をお任せいただき、本当にありがとうございました。
📌グルカ修理は天草製作所本店へ
パイピング交換/持ち手交換/染め直し/内装交換 など
全国より郵送修理受付中
