天草製作所本店です。
本日も、お客様の人生がふと見える素敵なストーリーをお届けいたします。
■今回のお客様
学生時代は吉祥寺・藤村女子高等学校の機械体操部。
見た目とのギャップが印象的な、本格体育会系の方です。
そして社会人になってから、
「新しいことに挑戦したい」という思いで、
水泳 → アーチェリー → 馬術とステップアップ。
馬術を実際に始めたのは大人になってからですが、
これが見事にハマり、30年近く継続されているとのこと。
特に、**アイルランドでの外乗(馬と共に自然を駆ける体験)**は
今でも忘れられないほどの大切な時間だったそうです。


■今回のご依頼:馬術用 鞭(ウィップ)革巻き直し
長年寄り添ってきた大切な鞭。
握り部分の革が破断し、内部芯が露出している状態でした。
馬術の鞭は身体の延長・意思伝達の道具でもあるため、
握りのフィット感は技術そのものに直結します。
今回選んだ革は、
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手に吸い付くようなエイジングの良い本革
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馬術動作に干渉しない適度な厚さ
-
“道具らしい佇まい”を保てる素材感
これらを満たす革を厳選し、一巻きずつ丁寧に巻き直しました。
仕上がりをご覧いただいた瞬間、
「すごく持ちやすい!」と笑顔に。
その表情が、こちらの励みになります。




■お客様のもう一つの顔
実は西荻窪には月1回、ピアノレッスンで来られているとのこと。
ピアノ歴は7歳からと長く、
先生は“ウィーンから声がかかるほどの名教師”。
私が「教えていらっしゃるのですか?」と聞くと、
「いえいえ、まだ習っているだけですよ」と控えめな笑顔。
■体操
■馬術
■ピアノ
この3つがすべて共通しているのは、
「一度決めたら継続し、上達を追い続ける向上心」。
静かで穏やかな印象の中に、
しっかりと芯のある方だと感じました。
本当に素敵すぎるお客様でした。
■天草製作所本店より
今回も大切な道具を任せていただき、
そして素敵なお話をたくさん聞かせていただき、
心より感謝申し上げます。
また何かございましたら、いつでもご相談ください。
