良い革靴を、直しながら長く履く。ハーフラバーとヴィンテージスチールで2足を補強
今回の「お客様の笑顔シリーズ VOL.226」は、ご近所にお住まいの女性のお客様です。

普段から靴やバッグなど革製品がお好きで、特に革本来の風合いを感じられる、ナチュラルな色合いのものを多くお持ちです。
今回お預かりしたのは2足。
ARTS&SCIENCE(A&S)のパンプスと、HERMÈS(エルメス)のパンプス。
どちらも革そのものの表情や経年変化を楽しめる、温かみのあるブラウンです。



今回の修理は、
- カカト修理
- Vibramハーフラバー
- つま先ヴィンテージスチール
を施工しました。
パンプスはソールが薄いため、どうしてもつま先が削れやすくなります。
そのまま履き続けるとソールだけではなく、つま先のアッパーまで地面に擦れて傷んでしまうこともあります。
実際、今回の靴にもつま先部分に擦れが見られました。
そこでハーフラバーでソールを保護し、さらに削れやすいつま先部分にはヴィンテージスチールを取り付けました。



靴本来の雰囲気をできるだけ崩さず、これからも長く履いていただくための修理です。
そして、お引き取りの日。
ご近所のお客様の場合、「靴を取りに行くだけだから」と、とても自然体でご来店される方も多いんです。
そんな中、
「お客様の笑顔シリーズ、撮影させていただいていいですか?」
と、こちらから完全なる無茶振り(笑)。
「口元だけなら!」
と快く撮影にご協力いただきました。
本当にありがとうございます!
そしてお話をしている中で、
「私、足幅が広くて。これから子どものフォーマルな行事も増えてくるので、私でも履けるフォーマルな革靴って何かありますか?」
とご相談いただきました。
ところが、その場で「これです!」という一足が、するっと出てこなかった……。
靴屋として、これは反省です。
本当にすみません!
ただ最後に一言。
天草製作所本店、オーダー靴も作っていますので(笑)。
既製靴を修理しながら長く履くこと。
そして、自分の足に合わせた一足を作り、長く付き合っていくこと。
どちらも私たちが大切にしている、革靴との付き合い方です。
売って終わりではなく、
直して、履いて、また直す。
新品に買い替えることだけが選択肢ではありません。
使い込んだ革には、その人が過ごしてきた時間が刻まれていきます。
だからこそ天草製作所本店は、
モノを大切にする人が集まる店でありたい。
これからも西荻窪の小さな工房から、一足、一点と向き合っていきます。
ご依頼、そして笑顔の撮影へのご協力、本当にありがとうございました。
天草製作所本店
代表 西森真二